自然保護活動

重茂漁業協同組合未来につなぐ美しい海計画


平成18年に認定された岩手県知事の認証書

 天然資源を守り育てることと自然との共存共栄を重要なテーマに重茂では、様々な環境保護の活動を行っています。その行動指針となるのが「重茂漁業協同組合未来につなぐ美しい海計画」。これは持続的養殖生産確保法第4条に基づき作成されたもので、岩手県知事の認定を受けて取り組まれています。

 私たちには重茂の海を守ることに加え、重茂ブランドの維持に努めながら消費者の皆様に対して安全・安心な食品供給を行う義務があります。計画では、具体的な事項として「管理区域における合成洗剤の追放」「肥料の不使用」「薬剤の不使用」「景観と海を汚さないための漁期終了後の養殖施設撤去」「残滓の適正処分」「漁業系廃棄物の適正処分」「養殖生産物のゼロ・エミッション化」の7項目を挙げています。

 海の環境を守るためには、漁業活動において発生するさまざまな問題へ対応しなければなりません。さらに私たちには、「今」だけではなく次の世代を見据え、「子孫に誇れる漁村を築こう!」という想いがあります。活動には漁業従事者のみではなく、女性や子供たちなど、重茂で暮らすたくさんの人々が関わっています。

重茂漁業協同組合未来につなぐ美しい海計画の内容
1.対象となる水域及び養殖水産動植物の種類

1)水域

重茂漁協組合員が行使する次の区画漁業権漁場を含む水域。一区第121号追切前から一区第131号沖川代前。

2)養殖水産物の種類

ワカメ、コンブ

2.養殖漁場の改善の目標

疾病による被害が増加傾向にないこと。

3.養殖漁場の改善を図るための措置及び実施時期

養殖漁場の改善のために各養殖業者が実施し、又は遵守するべき措置は以下のとおりとする。なお、これらの措置は、平成18年3月17日から平成20年8月31日まで行うこととするが、状況に応じて、これを見直すこととする。

1)ワカメ、コンブ養殖施設数

区画漁業権免許状(平成15年9月1日から平成20年8月31日まで)に係る区画漁業権行使規則に記載の養殖施設統数以内とする。なお、区画漁業権行使規則は別紙資料のとおり。

2)養殖施設規模

【ワカメ】区画漁業権行使規則に定める施設長及び施設間隔とする。
【コンブ】区画漁業権行使規則に定める施設長及び施設間隔とする。

3)養殖密度

区画漁業権行使規則に定める垂下縄の本数とする。

4)その他

重茂の豊かな海を守りつづけるため、次に掲げる事項について取り組むことによって重茂ブランドの堅持に努め、消費者に対して安全・安心な食品供給を行う。

ア)管理区域における合成洗剤の追放
管理区域における合成洗剤の「売らない」、「買わない」、「使わない」の3ない運動を推進する。
イ)肥料の不使用
海域の富栄養化や水質の悪化の原因となる施肥(肥料を施すこと)は一切行わない。
ウ)薬剤の不使用
安全・安心な食品供給のため、薬剤等の使用は一切行わない。
エ)施設の撤去
景観と海を汚さないために、漁期終了後の養殖施設は撤去し、適正に管理する。
オ)残滓の適正処分
浜揚げ後の付着物等残滓は、各生産者の責任において適正に処分を行う。
カ)漁業系廃棄物の適正処分
漁業生産上、発生した廃棄物については適正に分別し、処理を行う。
キ)養殖生産物のゼロ・エミッション化
当地区で生産された養殖水産物は、全て商品として販売し、また、残滓等については、アワビ・ウニ等の餌料として有効利用することによって、養殖生産におけるゼロ・エミッション化を目指す。
4.養殖漁場の改善を図るために必要な施設及び体制の整備

1)養殖漁場の改善を図るために必要な機器

漁協は漁場調査を実施する上で必要となる水温計、赤沼式比重計、銅・カドミウム還元カラム法に必要な機器及び器具を整備する。

2)漁場改善を推進していくための体制の整備

この計画の適切な履行と進捗状況について、定期的に開催する養殖組合代表者会議及び重茂漁協漁業振興委員会においてを確認する。技術的支援が必要な場合等、必要に応じて岩手県宮古地方振興局水産部、岩手県水産技術センター及び宮古市の公的機関と連携を取る。

5.その他

1)養殖漁場環境及び利用状況調査

ア)漁場環境調査
漁協は、漁場に漁場環境調査定点を設定して次の調査を行う。
調査項目 調査内容
水温・比重 毎月1回(1月~4月は隔週1回)においては、5定点における表層水温及び比重を測定する。
栄養塩濃度 3定点において栄養塩濃度を測定する。
透明度 3定点において透明度を測定する。
イ)漁場利用状況調査
養殖施設数、養殖施設規模、養殖密度及び養殖生産量を毎年確認し、改善措置の遵守状況を把握する。

2)漁業共済への加入

養殖経営の安定を図るため、地区組合員に対して、積極的に漁業共済へ加入することを推奨する。

3)その他

この計画の変更申請は、この計画に係る区画漁業権行使者の総意により行うものとする。

漁港・海岸清掃活動


清掃活動

 海の天然資源が重要な産業となっている重茂では、自然環境や海を守るために地域住民の手による漁港や海岸の清掃活動に力をいれています。海をきれいにすることが豊富な天然資源を守り、育てることにも繋がっていきます。

広葉樹の植林活動


植林活動

 森が育んだミネラル分の豊富な水こそが、海産物にとっての大切な栄養源です。過剰な森林伐採は海底の砂漠化や磯焼け現象といった問題を引き起こします。そういった海と山の関連性を伝えるために地域住民や小学生による広葉樹の植樹を実施しています。また、重茂半島の国有林を伐採しないように、国へ要望する取り組みも続けてきました。

合成洗剤追放運動

 沖合には寒流と暖流がぶつかる好漁場が広がり、深い原生林から流れ出すミネラル豊富な水が海藻や魚類を育む…。まさに天恵といえる自然環境が広がる重茂半島では、地域全体で合成洗剤の使用を禁止しています。

 きっかけは35 年以上前、海の天然資源がかげりをみせはじめていた頃のこと。漁協婦人部のメンバーたちは生活クラブと交流する中で、自分たちが毎日使っている合成洗剤が海を汚し、悪影響を与えていることに気づきました。そこで昭和51(1976)年から合成洗剤の追放運動(「売らない・買わない・使わない」の3ない運動)をスタート、昭和55(1980)年には合成洗剤不使用を呼びかける看板を地域内に設置しました。

 それだけではありません。女性部のメンバーは重茂にある商店に置かれていた合成洗剤を全て買い取り、かわりに石けんを販売するようにお願いをして回りました。さらに各家庭の台所へ入って、石けんの使用を確認したこともあったのです。この徹底した取り組みにより、重茂の石けん使用率は今も高い割合を継続しています。

2010シャボン玉フォーラム in 重茂
「海・燦さん々さんと 私たちの合成洗剤追放運動」

 平成22(2010)年5月29日と30日の2日間にわたり、重茂半島で「協同組合石けん運動連絡会(協石連)」が主催する「2010シャボン玉フォーラムin重茂」が開催されました。フォーラムは石けんを使う暮らしを通じて足元から環境問題を考えることを目的に毎年開かれており、この年は生活クラブが共同購入で提携している重茂漁業協同組合、そして生活クラブ岩手が受け入れ団体となって行われました。フォーラムは20 年以上の歴史がありますが、生産地での開催は初めてのことでした。

 フォーラムは伊藤隆一組合長の挨拶で幕を開け、全体会では女性部の盛合敏子さんが「海・燦々と 私たちの合成洗剤追放運動」をテーマに重茂での取り組みを説明しました。2日目は「六ヶ所核燃料再処理工場反対の取り組みについて」「もう一度見直そう石けん運動の原点」「重茂の豊かな海と昆布の収穫から加工までの体験」「十二神山千古の森の環境整備と源流散策」の4つの分科会に分かれて行われ、終了後は大漁旗がはためく下で参加者が1500 本もの苗木を植えた「フォーラムの森」づくり事業記念植樹祭が行われました。

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